【DeFiは銀行に取って代わるのか】未来の金融システムについて知っておくべきこと
- DeFiってなに?
- 今までの金融システムとなにがちがうの?
- セキュリティや規制リスクが心配…
仮想通貨について調べているとちょくちょくDeFiというワードが出てきます。
「ブロックチェーンを使った金融システムでしょ?」となんとなく理解している人はいても、その実態を知っている人はあまり多くありません。
銀行に取って代われるほどのポテンシャルを秘めているんですが、まだまだ認知度が低いのが現状です…
そこでこの記事では、DeFiの概要や将来性について初心者にもわかりやすく解説します。
この記事を読めば、DeFiの基本をおさえた上で「少しだけ触れてみようかな」という気持ちになってもらえるでしょう。
DeFiを2年間利用して身についた知識や経験をまとめました。
「DeFiってよくわかんない」って人はぜひ読んでみてください!
本記事では仮想通貨、ブロックチェーンという言葉が出てきます。
あまり理解できていない、という人は先に以下の記事を読んでいただくと、スッと理解できるようになると思います。
そもそもDeFiってなに?
まずDeFiとはなにか、を見ていきましょう。
特定の管理者がいない金融システム
DeFiとはDecentralized Financeの略称で、日本語では分散型金融
つまり「特定の管理者がいない金融システム」ということです。
(ディーファイ、ディファイと呼ばれますが、読み方はどっちでも大丈夫です)
「そもそも金融自体がなんなのかイマイチわからない…」という人もいると思います。
金銭の融通をすること
お金の余っている人が、お金の不足している人にお金を貸す
→貸した人は利息をもらえる
このやりとりを仲介するのが銀行などの金融機関である
以上が金融のざっくりした説明ですが、DeFiは分散型金融であり、ブロックチェーンを使用しています。
つまり、銀行などの従来の金融機関とちがって、中央集権的な管理者はいません。
管理者なしで信頼性の高い金融システムの提供が可能になった、ということですね。
ちなみにやりとりは法定通貨ではなく、仮想通貨で行われます。
Web3が注目され始めている今、
DeFiはブロックチェーンの力を金融業界にまで伸ばそうとしてるんです。
では、なぜ管理者がいなくても金融システムが成り立つのか?
スマートコントラクトによって全ての取引が自動化される
分散型金融が成り立つ理由
それはスマートコントラクトを利用しているから。
スマートコントラクトとは
かんたんにいうと、ブロックチェーン上で自動的に実行されるプログラム。
あらかじめ契約内容を決めておき、条件を満たすと自動的に契約が実行されます。
「世の中のあらゆるシステムを自動化してしまおう」ということですね。
↓くわしくは下記をチェック↓
第三者の存在や信頼がなくとも、スマートコントラクトが透明性と信頼性を提供する。
自動販売機によって人がいなくても飲み物が買えるように
スマートコントラクトによって管理者がいなくても金融システムを利用できます。
そしてすさまじい利便性を発揮します!
なにができるの?
DeFiのすさまじい利便性について
実際になにができるか、を見ていきましょう。
仮想通貨の交換を行う(スワップ)
代表的なDeFiにDEX(Decentralized Exchange:分散型取引所)があります。
ちょっとややこしいので整理します。笑
DeFi=分散型金融
DEX=分散型取引所
つまりDeFiは金融の総称であり、その中のひとつがDEXということですね。
代表的なDEXにはUniswapやPancakeSwapがあります。
DEXの反対はCEX(Centralized Exchange:中央集権型取引所)です。
コインチェックとかビットフライヤーとかですね。
DEXは管理者がいないので口座開設する必要がなく、誰でも利用可能。
さらにCEXのような上場審査がないので、取り扱い銘柄が圧倒的に多い。
これによりETHなどの有名な通貨をかんたんに、いろんな通貨に交換できます。
この交換をスワップといいます。
何十倍、何百倍になる仮想通貨に出会えるかもしれませんね!
流動性を提供する(イールドファーミング)
ユーザーがDEXで通貨をスワップするには、CEXの板取引のように流動性がないとできません。
DEXには流動性プールというものがあり、そこに一定数以上の仮想通貨が貯められることで流動性が生まれます。
では、だれが仮想通貨を預け入れて、流動性を提供してるのか?
それはユーザーです。
「ユーザーがスワップを行うために、ユーザーが流動性を提供するの?」
またややこしくなってきましたね。笑
そう
DEXを利用するユーザーが通貨をスワップできるように、流動性プールに通貨を預け入れる人たちがいるんです。
流動性を提供している人は、取引手数料や利息を報酬としてもらえます。
この流動性を提供して報酬がもらえる仕組みをイールドファーミングといいます。
ちなみに流動性提供者には誰でもなれます。
ネットワークに参加する(ステーキング)
ユーザーが自身の仮想通貨を預けることで、ネットワークの運営に参加することも可能です。
これをステーキングといい、ネットワーク運営に貢献する対価として報酬がもらえます。
ステーキングは必要な最低額が決まっていて、個人では手が出せない額になることもありますが、DeFiのステーキングプールを使えば少額からでも参加できるんです。
ステーキングプールに通貨を集めることでステーキングし、その報酬はプールに預け入れた人たちに分配されます。
「みんなで共同してネットワークに参加しよう!」ということですね。
仮想通貨を貸す(レンディング)
仮想通貨を貸したい人と借りたい人をマッチングさせるレンディングというサービスもあります。
銀行がやっていることをDeFiに任せる、と考えてもらえばわかりやすいですね。
仲介者がいない分、ユーザーは余計な手続きをすることなくスムーズに貸すことができ、手数料もおさえられる。
もちろん貸した人は利息をもらえます。
以上、4つがDeFiでできることの代表例になります。
こまかく見るとまだまだあるけど、今回はこのくらいで!
DeFiのメリットは?
ここまで「DeFiとはなんなのか、なにができるのか」を説明してきましたが
DeFiのメリット、
つまり管理者がいないことによるメリットもきちんと把握しておきましょう。
銀行よりも利回りが高い
銀行の普通預金の金利は0.001%ほどです。
対してDeFiでは1~5%はもちろん、10%を超えるものもざらにあります。
まだ技術としては新しくリスクも伴うので、高いリターンが見込める、ということですね。
また、DeFiでスワップできる通貨は価格変動が激しいものが多いので、値上がりによる売買差益も狙えます。
キャピタルゲインとインカムゲインの期待値が高いんですね。
キャピタルゲイン
購入した資産を売却することで得られる売買差益
購入価格よりも高く売れば利益(キャピタルゲイン)
購入価格よりも低く売れば損失(キャピタルロス)
インカムゲイン
資産を保有することで得られる収入
債券や預貯金の利子、株式の配当金、ステーキングやレンディングの報酬などがある
仲介者が不要になるので、処理が早く手数料が安い
仲介者がいると余計な手続きがあったり、確認に時間がかかったりします。
人件費もかかるので、その分手数料も高くなっちゃいます。
一方、DeFiではスマートコントラクトによって自動化されているので、早く安く取引できます。
信頼性・透明性が高い
ブロックチェーンを利用しているので、誰かが不正をすることはありません。
すべての取引を世界中のコンピュータで分散管理することで、不正な取引はすぐにバレます。
また、世界中の誰もがブロックチェーンに記録されている取引履歴を見れます。
信頼性・透明性が非常に高いですね。
誰もがいつ・どんな場所にいても利用できる
DeFiはインターネットとデバイス(スマホやPC)があれば、24時間365日、世界中のどこにいてもサービスを利用できます。
利用条件は上記のみ。
世界の金融口座の保有率は76%であり、24%の人が収入や職業などを理由に金融システムを利用できていません。
銀行などの金融機関の口座またはモバイル口座を保有している人の数は、2011年に世界の成人人口の51%、2017年に68%だったが、2021年には76%に上った。
しかし、こういった人たちでもネット環境とデバイスさえあればDeFiを利用できます。
また、金融機関の場合は営業している時間しか利用できなかったりしますが、DeFiでは時間帯も場所も気にする必要はありません。
誰もがいつ・どんな場所にいても利用できる、ということですね!
イノベーションが起こりやすい
DeFiはオープンソース、
つまりプログラムのソースコードが一般公開されているので、それを参考に新たなサービスや金融商品が生まれやすいです。
DeFiに限らず、ブロックチェーンを使ったシステムはイノベーションが起こりやすいのが特徴ですね。
DeFiの課題は?
DeFiがどれだけ革新的かわかっていただけたかと思います。
しかし、まだできて間もないので課題もそれなりにあります。
法的な枠組みや規制が整っていない
「管理者がいないため、責任の所在が曖昧」
「国境を越えて利用されることが多い」
これらのことから、法的な枠組みや規制が十分に整っていません。
DeFiの利用を禁止する国も出てくるかもしれません。
また、新規プロジェクトでは詐欺被害などのトラブルが起こることもあります。
スマートコントラクトの脆弱性やバグ
DeFiを支えるスマートコントラクトに脆弱性やバグが見つかることもあります。
DeFiの利用は自己責任になるので、何らかの形で資産を失っても戻ってくる可能性は極めて低いです。
十分に分散されていないものもある
分散型金融と謳いながら、十分に分散されていないDeFiプラットフォームもあります。
「分散されていない=大きな力をもつ人がいる」
これでは分散型金融といえません。
イーサリアムなどの有名なブロックチェーンを使っていればあまり心配はいりませんが、よくわからない新規のプロジェクトは注意しなければいけません。
ここまでDeFiの課題をいくつか紹介しましたが、共通していえることは
「新しくできたよくわからないDeFiには手を出さないほうがいい」
ということです。
特定のだれかが権力を利用して悪いことをしたり、そもそもシステムが未熟だったりするためです。
DeFiに慣れていない人は、実績のあるUniswapやPancakeSwapを使うことをオススメします。
(Uniswapはイーサリアムチェーン、PancakeSwapはBNBチェーンを使用しているため)
ただそれでも「リスクが0じゃないこと」は忘れないでくださいね。
将来性ってどうなの?
DeFiは金融業界にどういった影響をもたらすのか
ぼくの予想を交えながら話していきます。
世界中の人々が利用できる金融サービス
DeFiは世界中の人々に、金融サービスへのアクセスを提供する。
特に発展途上国や銀行口座を持っていない人々でも、金融サービスを利用できるようになったことは何よりも大きいです。
これにより、全世界を対象とした新たなサービスや金融商品が、DeFiを参考にバンバン生まれてくるでしょう。
もちろん、それらは従来の金融機関では実現できない、ブロックチェーンを使ったシステムになります。
金融機関はDeFiにできない「新たな価値提供」をしなければならない
DeFiはこの先も、金融業界に大きな影響を与え続けるでしょう。
では、銀行など従来の金融機関はどうすればいいのか?
(ぼくの一意見なので参考程度に読んでいただければ。)
従来の金融機関はDeFiのポテンシャルを認識し、DeFiにはできない「新たな価値提供」をしなければなりません。
DeFiでできるなら、そっちを使えばいいだけですからね。
金融機関にしかない長年の歴史や信頼、専門家、法律を駆使して新たな価値を生み出す必要があります。
それができなければ、金融機関はDeFiの使い方がわからない人しか利用しなくなるかもしれません。
また、DeFiと金融機関がお互いを補完し合う未来も考えられますね。
- DeFiを利用して金融機関が効率化を図る
- 金融機関が提供する専門知識と安定性をDeFiの発展に役立てる
とかですね。
未来がどうなるかはわかりませんが、
どちらにせよ、DeFiが金融機関にとって脅威であり続けるのはまちがいなさそうです。
どうやって始めるの?
今回は有名なDEXのひとつUniswapに接続する方法をかんたんに解説します。
メタマスクをインストールし、設定する
まずはメタマスクをインストールし、設定します。
メタマスクは仮想通貨を保管するためのオンラインウォレットで、主にイーサリアム関連の通貨の管理に使います。
メタマスクの設定方法はこちら
取引所でイーサリアムを買い、メタマスクに送金する
次に国内仮想通貨取引所でイーサリアムを買い、さきほど設定したメタマスクに送ります。
送金手数料が無料のGMOコインを使えば、イーサリアムを無料でメタマスクに送れます!
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メタマスクとDEXを接続する
イーサリアムが着金したら、メタマスク内のブラウザでapp.uniswap.orgと検索します。
Uniswapの画面が表示されるので、右上の「接続」をタップします。
下記のようになればメタマスクとUniswapの接続は完了です。
このように、ウォレットとDeFiプラットフォームを接続して利用するのがDeFiの基本となります。
財布(メタマスク)をもって銀行(Uniswap)に行く、とイメージしてもらえばわかりやすいです!
今回はイーサリアムをメタマスクに送りましたが、国内で扱っていない通貨を送るには海外取引所を経由する必要があるので覚えておきましょう。
まとめ
今回はDeFiがどういったものかを解説しました!
ざっとおさらいします。
- 特定の管理者がいない金融システム
- スマートコントラクトによって取引が自動化される
- スワップ、イールドファーミング、ステーキング、レンディングなどを行える
- 管理者がいないことにより、さまざまなメリットがある
- 課題もそれなりにある
- 今後も金融機関にとって脅威であり続ける
- オンラインウォレットと接続することで利用可能
DeFiはまだできて間もない技術なので、そのポテンシャルを理解している人はあまりいません。
ですが、まちがいなく既存の金融業界を脅かすほどの存在です。
今のうちに知っておくことで、後々有利になるでしょう。
難しかった部分は、何度か読んで理解を深めていただければ幸いです!
「仮想通貨の基礎をもう一度おさえておきたい!」という人は、以下の記事をぜひ読んでみてください。